2008 年01 月04 日
輝星投影は難しい
ピンホールプラネタリウムでは星の明るさを面積で現している。そのため、明るい1等星などはとんでもなく大きくしなくてはならない。学研のマイスターを作ったことがある人はわかると思うが、満月ぐらいある。キロスターも1等星・2等星はかなり大きく、3等星、4等星、5等星、6等星と急速に小さくなる、2次曲線を描くように設計した。この曲線の角度によってわりとリアルになったり、マンガ風の星空になったりする。キロスターはおもいっきりマンガ風だ。そのかわり星座が探しやすいので学習用には最適だ。以前、富山大だったか福井大だったかでピンホールの大きさは同じにして等級に応じてNDフィルターをつける(グレーの白黒フィルムを小さく切ってピンホールに貼る)というのを作っていたが、ただでさえ暗い電球の光をさらに犠牲にするわけなので、あんまりうまくいかなかったようだ。
ピンホール式でもレンズ式でも星の明るさを面積で現しているのは同じで、実は同じ問題をかかえているのだ。普通のレンズ式プラネタリウムでは輝星投影機という別の投影機によって1等星を投影している。輝星の数だけ必要なのでけっこう大変だ。「地上に星空を」によると、等級によって恒星球(光源)が異なるコルコス式プラネタリウムというのも作られたそうだ。ホームスタープロなんかだと原盤の穴に直接色を乗せてフィルターにしてある。少し暗くなるし、どぎついと感じる人もいるらしい。
アメリカのメーカーのピンホールプラネタリウムでは輝星の穴にそれぞれレンズを取り付けたものを見かける。スピッツ社のベストセラー機A3P型とか。同じスピッツのSTS型は10000個の恒星のうち4000個にそれぞれレンズがついた、ハリネズミのような大型ピンホール式である。手作りのものにもたまに輝星レンズがついたものがある。
また、星には色がある。恒星の表面温度によって、オレンジ色のベテルギウスやアンタレス、青っぽいリゲルといったふうに。輝星にだけ色がついているわけではなくて、暗い星は色がよくわからないというだけなので、つまり、この星の色というやつは輝星の投影とからんでくるわけだ。
ホームスターのようにピンホールにフィルターをつければ色が出るのではと考えるのだが、そのままでは暗くなるだけで色を出すのは難しい。キロスターでは別投影機はあきらめたのだが、夏の投影でどうしてもアンタレスを赤くしたい時があった。さてどうするか。
投稿者:ヒゲキタ
at 21 :59| 日記
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